筋トレと有酸素はどっちが先?目的別の答えと順番より効く3つの変数

体脂肪を落としたい方と筋力を上げたい方は、筋トレを先に行ってください。持久力を高めたい方は有酸素運動を先にし、健康維持が目的の方はやりやすい順番で構いません。
ただし、順番によって生まれる差は、多くの方が思っているほど大きくないのです。複数の研究をまとめて解析したメタ分析では、順番で差がはっきり出たのは下半身の筋力だけで、筋肥大や体脂肪率には違いが確認されていません。
この記事では、目的別の結論と筋トレを先にする理由に加えて、順番より結果を左右する3つの変数(有酸素の種類、筋トレから有酸素までの間隔、週あたりの総量)を整理しました。三重県松阪市で24時間営業のフィットネスジムを運営する立場から、今日から実行できる形に落とし込んでいます。
目的別に見た順番の結論

順番は目的で決まります。同じ組み合わせでも、狙うものが違えば先にすべき種目は変わってくるからです。
脂肪を落としたいなら筋トレが先
体脂肪を減らしたい方は、筋トレを済ませてから有酸素運動に移ってください。筋トレで糖質を使った状態から有酸素に入ると、脂肪が使われやすい状態をつくれるという考え方が根拠になっています。
ただし後述するとおり、体脂肪率そのものの変化に順番の差が出たという研究結果は今のところありません。脂肪燃焼を狙う場合でも、順番だけで結果が決まるわけではないとお考えください。
筋力を上げたい場合も筋トレが先
筋力、特に下半身の力を伸ばしたい方も筋トレを先に行ってください。この目的については、順番による差が数値としてはっきり確認されている唯一の領域にあたります。
有酸素運動で脚が疲れた状態からスクワットやレッグプレスに入ると、扱える重さが落ちてしまいます。重さが落ちれば刺激も減るため、同じ時間を使っても伸びが小さくなるのです。
持久力を上げたいなら有酸素が先
マラソンや長距離の自転車など、持久力そのものを高めたい方は有酸素運動を先にしてください。体力が十分にある状態で取り組むほうが、狙った強度を最後まで保ちやすくなります。
この場合、筋トレは有酸素のあとに補助として組む形になります。持久力の伸びは順番の影響を受けないと報告されているため、優先したい種目を先に置くという判断で差し支えありません。
健康維持が目的ならやりやすい順番でよい
健康維持を目的とする方は、順番を気にしすぎないでください。大切なのは週あたりにどれだけ動けたかであり、その日の気分で先後を入れ替えても構いません。
厚生労働省の健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、成人に対して息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋トレを週2日から3日行うことが推奨されています。まずこの量に届くことを優先してください。
筋トレを先にする3つの理由
筋トレを先に置く根拠は3つあります。糖質の消費、ホルモンの状態、そして筋トレの質を保てることです。
1つ目は糖質を使ってから有酸素に入れること
筋トレは短時間で強い力を出す運動のため、主に糖質をエネルギー源として使います。糖質が減った状態で有酸素運動に移ると、脂肪がエネルギーとして使われる割合が高まるという流れになるわけです。
ただしこの説明は、運動中のエネルギー源の話にとどまります。1日や1週間の単位で見たときの体脂肪の減り方まで保証するものではない点は、押さえておいてください。
2つ目は成長ホルモンが出た状態で有酸素に入れること
筋トレの直後は成長ホルモンの分泌が高まり、脂肪が分解されやすい状態になります。この状態で有酸素運動を行うと脂肪の利用が高まったと報告されました。
根拠となるGoto ら(2007)の研究では、筋トレのあとに20分の休憩をはさんで有酸素運動を行った条件で、脂肪の利用が高まっています。一方、120分空けた条件では差が見られませんでした。
なお、この研究の対象は男性10名と小規模です。女性や幅広い年代にそのまま当てはまるとは限らないため、参考のひとつとして受け取っていただければと思います。
3つ目は筋トレの質を落とさずに済むこと
有酸素運動を先に行うと、脚を中心に疲労が残った状態で筋トレに入ることになります。扱える重さが下がり、フォームも崩れやすくなるため、筋トレの効果が目減りしてしまうのです。
逆に筋トレを先にした場合、疲れた状態で有酸素に入っても、歩く動作やこぐ動作は続けやすいという違いがあります。順番を変えたときに損をしにくいのは、筋トレ先行のほうでしょう。
研究で見た順番の差はどこに出るか

順番による差がはっきり確認されているのは、下半身の筋力だけです。筋肥大、体脂肪率、持久力については、順番を変えても差が出ていません。
Eddens ら(2018)のメタ分析では、筋トレを先に行ったほうが下半身の動的筋力の伸びが約6.9%大きいという結果が示されました。一方で、筋肥大、最大酸素摂取量(体が取り込める酸素量の上限で、持久力の指標にあたります)、体脂肪率には順番による差が認められていません。
Murlasits ら(2018)のメタ分析も同じ方向の結果でした。筋トレ先行のほうが下半身の1RM(1回だけ挙げられる最大重量)が平均3.96kg高く、持久力については順番の影響を受けないと報告されています。
つまり「脂肪燃焼なら筋トレが先」という通説は、方向としては間違っていません。ただし体脂肪の減り方そのものに差が出たわけではないという点は、正直にお伝えしておきたいところです。
では何が結果を分けるのでしょうか。当店では、有酸素の種類、筋トレから有酸素までの間隔、そして週あたりの総量という3つを見直すようご案内しています。順番を入れ替えるより、この3つを整えるほうが変化を感じやすくなります。
有酸素を先にしてよいケース
有酸素を先にしてよい場面もあります。持久力が目的の日、体を温めたいとき、そして筋肉痛が残っているときです。
持久力を伸ばしたい日は、前述のとおり有酸素を先に置いてください。狙った強度で走る、こぐといった動作を最後までやりきることが目的になるためです。
ウォーミングアップとして5分から10分の軽い有酸素を先に入れるのは、順番の話とは別に考えて構いません。心拍数と体温を上げてから筋トレに入るほうが、関節や筋肉の準備が整います。
筋肉痛が強く出ている日は、筋トレを無理に行わず有酸素だけにするという選択もあります。痛む部位を避けて軽く体を動かせば、翌日以降の再開がしやすくなるでしょう。
当店では、そうした日にヨガやピラティスのように負荷の穏やかなスタジオプログラムを有酸素の枠に充てる方法もご案内しています。一人で時間を管理するのが苦手な方にも取り入れやすい選択肢になります。
有酸素マシンの選び方で順番以上の差が出る
有酸素の種類は、順番よりも結果を左右します。走る動作を伴う有酸素は筋トレと干渉しやすく、走らない有酸素は干渉しにくいと報告されているためです。
Wilson ら(2012)のメタ分析では、ランニングを併用した場合に筋肥大と筋力の伸びが小さくなった一方、自転車型の有酸素を併用した場合は伸びが損なわれませんでした。筋トレと有酸素を同時に行うと筋肉の発達が妨げられる現象を干渉効果と呼び、コンカレントトレーニングという言葉で語られることもあります。
理由としては、走る動作に伴う着地の衝撃と、下半身の筋肉が伸ばされながら力を出す局面の多さが挙げられています。
当店のカーディオゾーンには、トレッドミル8台のほか、ヒットミルとクロストレーナーをご用意しました。筋肥大を優先したい時期は走るより衝撃の少ないクロストレーナーを選び、体を絞る時期や持久力を上げたい時期にトレッドミルを使うという分け方をご案内しています。
はじめての方には無料のマシンツアーを行っており、カーディオゾーンの使い分けもあわせてお伝えしています。どのマシンを何分使えばよいか迷っている段階でも、スタッフタイムであればその場でご案内できます。
時間配分と有酸素までの間隔

同じ日に両方行うなら、筋トレのあと20分以内に有酸素へ移ってください。別の時間帯に分けるなら、3時間以上空けると筋力への影響を抑えられます。
先ほどのGoto ら(2007)で脂肪の利用が高まったのは、筋トレ後20分の休憩をはさんだ条件でした。120分空けた条件では差が消えているため、同じセッションで組むなら間を空けすぎないほうがよいでしょう。
一方、Schumann ら(2022)が43の研究をまとめた分析では、筋トレと有酸素を併用しても筋肥大と最大筋力は損なわれませんでした。低下が見られたのは爆発的な筋力(ジャンプのように短時間で強い力を出す能力)だけで、これも3時間以上空けた場合には低下していません。
持ち時間別の配分もお伝えします。30分しか取れない日は、ウォームアップ5分、筋トレ15分、有酸素10分という配分が扱いやすいでしょう。筋トレは種目を2つに絞り、大きな筋肉を使うものを選んでください。
60分取れる日は、ウォームアップ10分、筋トレ30分、有酸素20分を目安にします。筋トレを4種目から5種目まで広げられ、有酸素も20分確保できるため、1回で両方の狙いを満たせるはずです。
有酸素の長さは20分から30分を目安にしてください。1時間を超えて続けると疲労が蓄積し、翌日の筋トレに影響が出ることがあります。時間を延ばすより、週の回数を増やすほうが続けやすい進め方になるでしょう。
週の組み立て方と別の日に分ける方法

週あたりの総量が、順番よりも結果を左右します。筋トレを週2日から3日、息が弾む運動を週60分以上という量に届いているかを、まず確認してください。
同じ日にまとめるか別の日に分けるかは、通える回数で決めるとよいでしょう。週2回しか来られない方は同じ日にまとめ、週4回以上来られる方は筋トレの日と有酸素の日を分ける形が組みやすくなります。
分ける場合は、筋トレの翌日に軽い有酸素を置く並べ方をおすすめしています。血流が促されて回復を助ける面があり、筋肉痛が残っていても歩く程度なら続けられるからです。
同じ日のなかで時間帯を分けたい方には、朝と夜に振り分ける方法もあります。当店は24時間365日ご利用いただけますので、出勤前に有酸素を20分行い、仕事帰りに筋トレへ取り組むといった分け方が可能です。3時間以上空けば爆発的な筋力への影響も抑えられるため、この組み方は理にかなっています。
なお、相談しながら進めたい方はスタッフタイムに合わせてご来店ください。平日は10時から21時、土日祝は19時までが常駐時間で、木曜はノースタッフデーとしています。
有酸素運動で筋肉は落ちるのか
適切な量であれば、有酸素運動で筋肉が落ちることは基本的にありません。Schumann ら(2022)の分析でも、筋トレと有酸素を併用したグループで筋肥大と最大筋力は損なわれていないからです。
「有酸素をやると筋肉が減る」という話が広まったのは、干渉効果の研究が断片的に伝わったことが背景にあると考えられます。実際に影響が見られたのは、ランニングを高い頻度かつ長い時間行った場合や、爆発的な筋力を同じセッションで測った場合に限られていました。
とはいえ、量が過剰になれば話は変わります。毎日1時間以上走りながら食事量が足りていない状態では、筋肉量を保ちにくくなるでしょう。筋トレを週2日から3日続け、有酸素は20分から30分に収めておけば、心配のいらない範囲に収まります。
やりすぎと空腹時に気をつけたいこと
有酸素運動は、時間を延ばすほど効果が上がるわけではありません。疲労が抜けないまま続けると筋トレの質が落ち、結果として全体の進みが遅くなってしまいます。
空腹のまま有酸素を行う方法については、脂肪が使われやすいという主張がある一方で、長時間になると筋肉の分解が進む可能性も指摘されています。朝に有酸素を行う場合は、バナナや飲むヨーグルトなどで軽く糖質を入れてから始めるほうが安心でしょう。
強い筋肉痛が出ている部位は、無理に動かさないでください。痛みがある状態で同じ部位を鍛えても狙った刺激は入らず、回復だけが遅れていきます。
膝や腰に痛みが続いている方、医師から運動を制限されている方は、自己判断で始めず先に医療機関へご相談ください。当店は体調を整えるための施設ではなく、運動する環境を提供する場になります。
短期間で結果を出そうとして量を増やしがちな方もいます。筋力トレーニングについての情報シートでは、筋トレを行っている人は総死亡などのリスクが10%から17%低く、有酸素運動と組み合わせるとさらに低いと報告されました。続けること自体に価値がある取り組みだとお考えください。
よくある質問(FAQ)
筋トレと有酸素は毎日やってもいいですか?
有酸素運動は毎日行っても差し支えありませんが、筋トレは同じ部位を連日鍛えないでください。週2日から3日の頻度で、同じ部位のあいだは1日以上空ける形が目安になります。回復の時間があってはじめて筋肉は変化していくからです。
有酸素運動で筋肉は落ちますか?
適切な量であれば落ちにくいと考えられています。43の研究をまとめた分析では、筋トレと有酸素を併用しても筋肥大と最大筋力は損なわれませんでした。ただし毎日長時間走るような量になり食事が足りていない場合は別なので、有酸素は20分から30分に収めておいてください。
別の日に分けたほうがいいですか?
通える回数で決めてください。週2回なら同じ日にまとめ、週4回以上なら筋トレの日と有酸素の日を分ける形が組みやすくなります。同じ日のなかで分けたい場合は、3時間以上空けると筋力への影響を抑えられるでしょう。
有酸素は何分やればいいですか?
20分から30分を目安にしてください。20分を超えないと脂肪が使われないという説明を見かけますが、開始直後から脂肪は使われています。時間を延ばすより週あたりの回数を増やすほうが、結果につながりやすい進め方になるはずです。
空腹のまま有酸素をやってもいいですか?
短時間であれば問題になりにくいものの、長時間になると筋肉の分解が進む可能性も指摘されています。朝に行う場合は、バナナや飲むヨーグルトなどで軽く糖質を入れてから始めてください。
プロテインはいつ飲めばいいですか?
筋トレの前後どちらでも構いません。タイミングより、1日の合計量が足りているかどうかのほうが重要になります。有酸素を含めて運動が終わったあと食事までに時間が空くようであれば、そのタイミングで補う形が取り入れやすいでしょう。
筋トレと有酸素の組み合わせに迷ったらレクシーフィット松阪店へ
当店は三重県松阪市小黒田町の国道166号線沿いにあり、24時間365日ご利用いただけます。約200坪のフロアを、ビギナー、アドバンス、カーディオ、ファンクショナルの4つのゾーンに分けて運営しています。
はじめての方には、初心者向けマシンを17台16種類そろえたビギナーゾーンからご案内しています。筋トレを済ませてそのままカーディオゾーンへ移れる動線になっていますので、この記事でお伝えした順番を無理なく実行していただけるはずです。
駐車場は250台を完備し、更衣室とシャワールームは男女別で運用しています。月会費は本会員で通常7,800円(税込8,580円)で、入会金やセキュリティ登録料を含めた内訳は店頭でもご説明いたします。
ご自身の目的にどの順番が合うのか、持ち時間に対してどう配分すればよいのか、スタッフタイムの時間帯であればその場で一緒に組み立てられます。見学だけでも構いませんので、気になる点をそのままお聞かせください。
参考文献
- Wilson JM, Marin PJ, Rhea MR, Wilson SMC, Loenneke JP, Anderson JC. Concurrent training: a meta-analysis examining interference of aerobic and resistance exercises. J Strength Cond Res. 2012;26(8):2293-2307.
- Eddens L, van Someren K, Howatson G. The Role of Intra-Session Exercise Sequence in the Interference Effect: A Systematic Review with Meta-Analysis. Sports Med. 2018;48(1):177-188.
- Murlasits Z, Kneffel Z, Thalib L. The physiological effects of concurrent strength and endurance training sequence: A systematic review and meta-analysis. J Sports Sci. 2018;36(11):1212-1219.
- Goto K, Ishii N, Sugihara S, Yoshioka T, Takamatsu K. Effects of resistance exercise on lipolysis during subsequent submaximal exercise. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):308-315.
- Schumann M, Feuerbacher JF, Sünkeler M, et al. Compatibility of Concurrent Aerobic and Strength Training for Skeletal Muscle Size and Function: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2022;52(3):601-612.
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項一覧(成人版)」2023.
- 門間陽樹「筋力トレーニングについて」健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート, 厚生労働省 e-ヘルスネット, 2024.
